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スケルトンデザインが美しい斬新なスポーティ・ウォッチ──歴代"ポロ"でもっとも薄い!

2021年に発表されたピアジェ ポロ スケルトンは、一見すると新種のラグジュアリー・スポーツウォッチである。しかし、これはケース厚わずか6.5mm。薄型時計に挑み続けたピアジェのノウハウが、このモデルには凝縮されている。

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実用性と審美性を高度に両立したピアジェならではの快作

機械式時計の中でも、もっとも製造が難しいもののひとつが薄型時計である。部品を精密に作るだけではなく、部品が歪まないよう、慎重に組み立てる必要がある。薄型時計を作れる会社ならば、超複雑時計のミニッツリピーターも製造できる、と時計関係者が言うのも納得だ。

そんな薄型時計の製造で他社をリードしてきたのがピアジェである。創業以来、古めかしい高級時計を作ってきた同社は、1950年代に薄型時計の製作にシフト。9P、12Pといった、極めつけに薄いムーブメントを手掛けるようになった。また薄型ムーブメントという特長を生かすことによって、ピアジェは独創的な宝飾時計も製作するようになっていく。かつて、薄型時計は明らかなステイタスシンボルだったが、作るのが難しい薄型時計は高価であり、薄いため壊れやすいという弱点をもっており、所有できるのは裕福なだけでなくマナーの良い紳士・淑女に限られていた。価格だけでなく、どう扱うかも問われる薄型時計。そう言って差し支えなければ、薄い機械式時計とは上流階級の持ち物だったのである。

しかし、1970年代から1980年代にかけて薄くて頑強なクオーツ時計が普及すると、薄型の機械式時計であっても使いやすさが求められるようになった。この流れは機械式時計のブームが起こった90年代以降に加速し、薄型時計であっても普通に使える時計でなければならない、ことになった。ピアジェはそんな変化にいち早く対応した。1990年代以降、ピアジェは耐久性を増した新設計の薄型機械式ムーブメントを発表。骨格を頑強にして剛性を高めた新しいムーブメントは、ピアジェの薄型時計に一般的な機械式時計に遜色ない耐久性をもたらしたのである。薄型時計が、今のような市民権を得た一因は、明らかに、1990年代以降のピアジェのおかげだ。

そんなピアジェを代表する薄型ムーブメントに、自動巻きの1200Pがある。小さなマイクロローターでムーブメントを薄くするのはかつての傑作、12Pに同じ。しかし、骨格にあたる地板や受けは頑強になり、普段使いができるようになった。そのキャラクターを示すかのように、現在このムーブメントは、ピアジェの多くのモデルに採用されている。今のピアジェが、いかに使い勝手を考えているかは、マイクロローターを見れば分かる。どの自動巻きであれ、ショックを与えるとローターはたわみ、ムーブメントに当たる場合がある。それを避けるため、ピアジェは小さなルビーをマイクロローターと接触しそうな部分にベアリングとして埋め込んだのである。誰も気づかないディテールだが、こういった積み重ねが今のピアジェを「使える薄型時計」としたのは間違いない。